2018年06月16日

不空郎さんよりクリーガ&ラウミィ30分SS

 不空郎さん(@one_eyed_owl)より、実は一年前のコミティアの後に30分で書いてくださったクリーガ&ラウミィのSS。この……もう……尊い……(語彙が飛んだ)。クリーガが以前なら気づかずに踏んでただろう花に目を留めるところからして既にもう…。
 なお、クリラウをはじめ、死亡キャラもパラレルOKなので、どんどん書いていただければと思います!
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【花のような】

 クリーガは足を止めた。何気なく、足元に目をやる。
 道端に白い花が咲いていた。ただ、それだけだった。わずかな風にもそよぐさまに、妙に心惹かれた。昔なら気にも留めなかった情景に胸が騒ぐ理由をつかめぬまま、クリーガはじっと見下ろしていた。
「どうしたんですか?」
 突然声をかけられ、クリーガはそちらを見た。ラウミィが、あどけなく目を瞠っている。
「いや……」
 言いよどんだクリーガの視線を追いかけ、ラウミィはぱっと顔を明るくした。
「きれいな花!」
「ああ……」
「差し上げるんですか?」
 至極当然のように尋ねられ、クリーガは、一瞬、相手の意図を図りかねた。
「は……誰に……?」
「レイさまに」
 またしても、当たり前のように答えられ、クリーガは、二度、三度と瞬きした。
「いや、何で、オレが、王子に」
「いえ、なんというか、レイさまのようなお花だから」
「そうか?」
「なんだか、高潔で、誇り高そうな……」
(そうかぁ……?)
 クリーガは首をひねる。どちらかと言えば、伸びた茎の細さ、花弁の繊細さが、もっとか弱い、守らなくてはいけない何かを思わせる。例えば、隣の少女のような──
「やめだ!」
 クリーガは大声を上げた。視界の端で、ラウミィが、文字通り飛び上がる。
「は、はいッ!?」
「やめだやめだ、行くぞ!」
 脳裏に浮かんだ想像を打ち払うように、クリーガは大またに歩き出す。後ろから、慌てふためいたラウミィの声が追いかけてきた。
【終】
posted by 神名リュウト at 12:48| いただきもの